予算特別委員会(第3分科会)文化スポーツ局 文化事業の効果について 令和8年3月9日(月)
○分科員(さとうまちこ)文化行政の事業効果についてです。文化行政については、市がどこまで支援すべきかの線引きが難しい分野であるため、事業効果をしっかりと検証すべきと考えます。また、事業効果の測定に当たっては、イベントに何人が来たかというアウトプットではなく、実施により若年人口が増えた、宿泊者が増え経済に寄与したなどのアウトカム指標を設定し、確認していくことが重要であると考えます。
前年と同じような事業を漫然と実施するだけではなく、各事業が本当に神戸市に寄与しているのか、コストが合っているのか、神戸市の将来に役立つのか、他都市と比較して神戸の強みとなり得るのかなど、厳しい目でチェックし、事業効果を測定した上で、将来を見据えた事業展開を行っていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○三重野文化スポーツ局長 委員御指摘のように、文化芸術はそれ自体が多様な価値を有するため、成果を定量的・定性的にはかることは容易でなく、文化行政への公的支援の線引きは非常に難しいなというふうに感じております。また、文化施策、まちづくりという点では、効果の確認まで長期となり、短期の数字では捉えられない側面もあるんじゃないかなというふうに感じております。
御提案いただきました若年層の転入増や宿泊者数の増加など、より広い社会的効果を示すアウトカム指標の設定は重要である一方、文化施策との因果関係を明確に特定するのはちょっと難しいかなというふうにも認識しているところでございます。そのため、各施策におきまして、アーティストや演奏家にとって実効性があるのか、市民への還元、満足度であったり期待度であったりとか、そういったことが適切に行われているのかを個々の事業ごとに丁寧に検証していくことも重要であるというふうに感じております。
これは午前中の答弁でもありましたけれども、昨年夏に開催したKOBE国際音楽祭では、閉幕後にネットモニターアンケートを実施いたしました。その結果、認知度や広報面での課題が明らかになる一方、継続開催を望む声が多く寄せられたこと、町なかでの公演の鑑賞率が高かったこと、地元の演奏家や学生の出演が評価されたことなど、市民の率直な意見の把握ができたというふうに感じております。
今後もこのように、定量的な指標だけにとらわれず、市民意見や市民評価を適宜取り入れながら、場合によっては定点評価もするなど、俯瞰的な視点で事業改善につなげていきたいというふうに思っております。
御指摘の将来を見据えた事業展開につきましては、さきの本会議でもちょっと副市長が答弁したとおり、本市では令和3年1月に、令和3年から10年間を見据えた本市の文化芸術施策の目指す姿や基本的な方向性を示す指針として神戸市文化芸術推進ビジョンというのを策定しております。現在はこのビジョンに掲げる5つの将来像を具体化するために、アイデアの事業化を順次進めておりまして、来年度の8年度の予算に計上している新規事業もビジョンの考え方に沿ったものでございます。
今後も事業効果の測定につきましては、ネットモニターアンケート等も有効に活用しながら、短期的な評価やビジョンに基づく長期的視点での進捗評価を行うなど、将来を見据えた事業展開となるよう、本市の強みや地域特性を生かした文化芸術施策を着実に進めてまいりたいと考えております。
○分科員(さとうまちこ) ありがとうございます。文化の事業においては、あれもこれもと切りがなくなっていって、増えていくとは思うんですけれども、滞在時間、消費単価、市外からの来訪比率、若年層の定住率、文化関連産業の付加価値額、再訪率といった都市の経済や人口にどのような影響を与えたかというような指標が非常に大事だと思います。イベントが成功したかではなくて、それによってどれだけ神戸が選ばれる都市になったかというところで、そういった観点で事業効果を検証して、やはり事業の取捨選択というのが非常に大きい―― 大事になってくると思います。
神戸には様々な資産があるんですけれども、まだ―― 何というんですか、体系的には活用し切れていなくて、文化都市になり切れていないようなイメージがあって、やはりここはジュニアコーラスとかジュニアのオーケストラ、子供たちを一生懸命育てていると、そういった好感度が高いような施策というのも非常に大事だと思いますので、そのあたりはさらに御検討ください。
今後、人口減少局面において税収の減少も予想し、事業の選択と集中が必要であります。神戸市が今後も若者に選ばれるまちとしてさらに発展していくために、神戸を担う若手の人材育成が重要です。若手アーティストの挑戦と活動の場の創出として、新たな事業も予定されているところではありますが、神戸市としてはどのような方向性で、何を目指しているのか見解をお伺いいたします。
○三重野文化スポーツ局長 御指摘のとおり、神戸の将来を担う若手の人材育成は大変重要だというふうに考えておりまして、局のミッションでも文化やスポーツに取り組む市民がチャンスと希望を持てるまちを掲げておりまして、特に若者が活躍できる環境づくりというのを重点的に進めております。
来年度予算でも、先ほどもちょっと答弁しましたけども、若手演奏家が活躍できるような場をつくっていきたいというふうに考えておりますし、あと、来年度の新しい取組としましては、地域の空き家等のそういった場所を活用して、若手アーティストの制作発表の場として活用することで、地域とアーティストの交流を促して、地域の活性化にもつなげていきたいというふうに思っております。
あと、音楽面では、神戸ユースジャズオーケストラの演奏機会なんかも積極的に増やしたいですし、あと、ストリートピアノを活用した無料のピアノ体験教室の実施回数も増やすなど、新たに市内のホールでの演奏機会を提供するといった取組の拡充も進めていきたいというふうに思っております。
文化スポーツ局といたしましては、若い人材が地域とつながりながら夢を持って挑戦し、自らの能力を伸ばせる場や機会を提供していくことが重要であると考えております。来年度につきましても、音楽・芸術分野を中心に若手人材の育成をさらに充実させるとともに、地域社会と協働しながら、若者に選ばれるまち神戸の実現に向けて取組を進めていきたいと思っております。
○分科員(さとうまちこ) ありがとうございます。低コストで効果の高い文化施策として、例えば空きビルとかテナントをアトリエ化するなど、オーナーとのマッチングを市が行うとか、一定期間拠点をつくるとか、スペースシアターがまだまだ活用し切れていないのかなというふうに思いますので、そのあたりに力を―― とにかくコストを低く効果の高い施策をやっていただきたいというふうに思います。
スポーツ分野においてはマラソンは県外から6割、海外からも2,600名参加されているということで、その際に、電子チケットでも何でもいいと思うんですが、六甲ミーツ・アートの観覧チケットを配布するとか須磨シーとか、他のいろんな施設を見ていただいて、まだあと2泊、3泊していただけるような取組を実施していただきたいと思います。
もう1回神戸に行きたいと思うような絶好な機会を逃すことなく、経済効果をさらに高めていっていただきたいと思いますが、見解を簡明にお願いします。
○浦野文化スポーツ局部長 委員御提案の実現には、神戸観光局をはじめとした観光部門、そして民間事業者との連携が不可欠であると考えております。まずは、神戸マラソンをさらに魅力ある大会として、そして民間事業者などからも一緒に応援したいと思っていただける大会を目指すとともに、引き続き、神戸マラソンに来られたランナー、応援する家族などがマラソン前後の神戸滞在をより楽しんでいただける仕組みづくりや、また神戸に来たいと思っていただけるように、神戸の魅力発信について関係機関と連携しながら検討していきたいと考えております。

