🔹民生委員の待遇改善について。

民生委員の方々の高齢化、後継がいないという事をお聞きします。昔とは違い、共働きが増えている昨今、ボランティア精神のみを求めるのは難しい事だと思っています。

さとう: 民生委員は地域の身近な相談相手であり,地域福祉を担う上で非常に大切な人材となっております。当局に確認しましたところ,現在,総定数2,575人に対して実数2,437人となっており,欠員が138名,充足率は94.6%と聞いております。94.6%という数字は政令市の中では下から2番目と,非常に残念な数字となっております。欠員の状況も毎年ほぼ横ばいと聞いており,今後,民生委員のなり手をどのように確保していくのか,他都市の成功事例なども参考に対策を考えていくべきだと考えますが,見解を伺いたいと思います。

小原保健福祉局長: 民生委員のなり手不足,充足率の不足という部分につきまして御質問いただきましたが,御指摘いただきましたとおり,民生委員,欠員率が5%余りということが続いておりまして,欠員状況が残念ながら横ばい状態にあるということでございます。これは別に神戸に限らず全国的にも,民生委員につきましては複雑・多様化する福祉課題への対応という形で,活動量の多さとか負担感の高まり,こういったことから多くの地域で人材確保について非常に苦慮されているという状況が続いているところでございます。
 委員から御提案いただきましたように,他都市での具体的な取り組み事例等を参考にしてはというふうな御意見いただきましたが,民生委員さんの全国組織であります全国民生委員児童委員連合会,こちらのほうでも他の自治体での発掘についての先駆的な先進事例等を取りまとめておられまして,この部分なんかを参考にして各地域で民生委員のなり手確保を努めてくださいというような動きになっております。具体的には,その中では,民生委員活動を支援する協力ボランティア制度を創設した例でありますとか,また,高齢者の方が集われる機会が多いシルバー大学の講座などで民生委員制度の活動内容を説明するであるとか,こういった事例も紹介されているところでございます。
 私ども神戸市といたしましても,なり手確保策として,既に平成17年から民生委員の見守り活動を補佐する独自の民生委員支援員制度というのを創設しておりまして,実際,支援委員の方からその後民生委員になっていただいた事例も出てきているところでございます。また,シルバーカレッジの講座でも民生委員制度の周知を図るなど,さまざまな機会を通じて制度の周知を努めているところでございますし,地域の友愛ボランティア,またふれあい給食ボランティア,また自治会,婦人会,PTA,学校の保護者会OBなど,いろんな可能性のある方について広く働きかけているところでございます。
 これが1つの取り組みの事例でございますが,もう1つは,推薦の制度を改正しようということでございまして,今回取り組みましたのは,推薦要領を改正いたしまして,民生委員の候補者としての居住要件を廃止したということでございまして,これにつきましては,実際,お住まいが地区外であっても,例えばすぐ隣,近隣にお住まいの方では可能であるとか,また,社会福祉法人とか企業で,その地域の社会福祉法人・企業にお勤めの職員等も現場の実情を把握することができるだろうということで,このような方々を推薦可能にしたこと,また,年齢要件につきましても,一例を挙げますと,これまで75歳未満としておりましたですけども,条件つきで1期のみ延長可能にしたというふうな事例もございます。
 このような取り組みを進めていくことで民生委員の確保を進めてまいりたいと考えておりますし,また,各区でも独自の取り組みを進めておりまして,民生委員さんもやりがいを前面に出したような区民広報紙でありますとか広報物によるPRに取り組んだり,また,若年層にどのようにPRしていくかということになりますと,PR動画を使って発信していこうということで,例えばユーチューブでの発信でありますとか,成人式のプログラム冊子等でPRに努めているところでございます。このようにいろんな形をとりまして民生委員を確保していくこと──民生委員活動自身が非常に重要でございますので,委員確保について努力してまいりたいと考えておるところでございます。

さとう: 努力いろいろされてるんですけども,まだまだ横ばいということと,あと1人足りないということは,地域の民生の方に何十人とどんと見守る人数がふえたりして,すごい負担になっていると思うんです。
 今回,お手当がちょっと増額されているんですけれども,これも1カ月とかじゃなくて,1年で7万9,000円ということで,政令都市の半分ぐらいの額にはなっておりますが,やはり今も共働きもふえまして,昔のように専業の方々も減っております。そこで,多岐にわたる残業量もちょっとなり手不足の原因と思うんですけれども,その残業量に手当が見合っているかどうかの検討を伺いたいと思います。

常深保健福祉局生活福祉部長: 民生委員の手当というか,報酬について御質問いただいたんですが,民生委員さんというのはもともと無償のボランティアでございまして,民生委員の活動費はそういう意味で言うと,手当,報酬ということではなくて,交通費とか通信費等に充てるものとしての実費弁償費で公費を交付させていただいているという状況にございます。
 もちろん活動量に見合った実費弁償費を出すべきだというのは国のほうも考えておりまして,平成26年の検討会におきましてもそういう──民生の交付は地方交付税に入っているんですけれども,その算定基礎を増額するような提言がなされて,実際に28年度にそういう交付税の算定基礎が増額されたりもしております。神戸市においては平成29年度に独自で2万円増額して7万9,000円ということになりまして,現在は指定都市の中で平均値ぐらいになっているという状況でございます。
 もちろん増額というのは必要なことではございますが,一方で,増額するには多額の予算が必要という状況もございますので,引き続き国の方針とか他都市の動向も見させていただきながら,また民生委員さんのお声も聞きながら,引き続き検討させていただきたいというふうに考えております。

さとう: ぜひ若い方々も引き継ぎやすいよう、よろしくお願いいたします。